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訪問STの失語訓練

失語症とは

失語症(aphasia)は、脳の損傷が原因で言語能力に影響を与える神経学的障害の一つです。失語症の人は、話すこと、理解すること、読むこと、書くことのいずれか、または全てに困難を感じることがあります。

以下に、失語症の主な種類をいくつか示します。

  • ブローカ失語症(Broca’s Aphasia): 話すことや書くことが困難ですが、音声や文章の意味を理解する能力を保持しています。
  • ウェルニッケ失語症(Wernicke’s Aphasia): 聞いたり読んだりした言葉の意味を理解するのが難しいです。しかし、流暢に話すことは可能で、しばしば文法的には正しいものの、実際の意味がない言葉を組み合わせた「言葉のサラダ」を話すことがあります。
  • グローバル失語症(Global Aphasia): これは最も重度の形で、話すこと、理解すること、読むこと、書くことが大幅にまたは完全に困難です。

言語聴覚士によるリハビリテーション

言語聴覚士(ST: Speech Therapist)による失語症のリハビリテーションは、個々の患者の特定の困難に対処するために、多種多様なアプローチを行います。

  • スピーチ・ランゲージ・セラピー(言語療法): 言語療法は、患者が言葉を理解し、話す能力を改善するための一連の手法です。これには、新しい言葉を学んだり、単語や文章を再構築する練習、音声や表現の練習などが含まれます。
  • コミュニケーション戦略の訓練: 患者が話す能力を取り戻すまで、非言語的な方法(例えば、ジェスチャーや絵を使うなど)でコミュニケーションをとるための技術を学ぶことがあります。
  • 認知コミュニケーション療法: 言語以外の認知能力(例えば、記憶、注意、問題解決能力)に焦点を当てた治療もあります。これらのスキルは、効果的なコミュニケーションに必要な要素です。
  • 補助通信装置(AAC)の使用: 一部の患者にとっては、補助通信装置(例えば、スピーチ生成デバイス、絵カード)の使用が有用な選択肢となることがあります。
  • 家族とのセラピー: ご家族がセラピストと一緒にリハビリテーションの場に参加し、どのようにして効果的にコミュニケーションをとるかを体験してもらうこともあります。

ご利用者の具体的な需要や目標、そして失語症の種類に基づいて、これらを組み合わせてオーダーメイドで提供しています。


脳血管障害の後遺症において言語機能のみが低下することは稀であり、みなともにおいても看護師をはじめ理学療法士や作業療法士と連携して、包括的なアプローチを行うことを大切にしています。